Paul Hardcastle / Hardcastle 3 CD
¥2,800
SOLD OUT
Paul Hardcastleは80年代に突如現れ、ガラージクラシックでもある「Rain forest」や世界的にヒットした、日本語版も最高な「19」など、80年代のダンスカルチャーに精通していれば、一度は耳にしたことのある楽曲を生み出すプロデューサーであります。
90年代に入ってからの、独自路線、自らのレーベルをスタートさせて、「Kiss The Sky」名義、「The Jazzmasters」名義、「Hardcastle」名義を使い分け、リリースを現在でも量産しています。
この3つの名義での活動はのちに「スムースジャズ」というジャンルへと変貌することとなるわけなのですが、スムースジャズの流れは00年代中期ぐらいに一般的になったように感じます。今やフュージョン、クロスオーバーまでジャンル内に取り込まれていますが、当時の印象で言えば、現行の動きだけをそのようなジャンルで呼んでいたように思います。
このような音に当時ハマったのは40歳から50歳ぐらいの層であり、それはすなわち、20歳から30歳ぐらいに80年代のオーディオブームに付随して流行した、大人が少年になるために必要な音楽「フュージョン」などの音楽文化に深く心酔した世代であって、自らの歩んできた人生の交差、追憶が00年代後半にジャンル化したスムースジャズにて成仏したように感じます。そんな父親たちが遠くへ歩いた場所から、もう一度家族の情景を心に刻んだのではと推測しています。
それは80年終わり頃から90年代に家族形成をした、日本のモデル的核家族形態の遺産であり、激動のサラリーマン世代の、つかの間の「休息」のような存在がスムースジャズだったのではと考えます。
家族旅行の渋滞の中、ひとり運転しながら聴いていた交通情報で使用されていた音源や、若かりしサラリーマン、残業のオフィスのなかで聴いたラジオから流れていたのは都会を夢見たフュージョンやクロスオーバーミュージックだったのだとしたら、定位で鳴ることが重要なオーディオマナーのように、ダンスカルチャーで生み出された良い部分をより気持ち良いメディーテーションへと誘う定位置は経た後のスムースジャズの音像は父親、彼らの追憶に刺さったのだと感じます。
内容はと言えば、全曲捨て曲なしの出来で、チルアウト文脈も相まって、「The Jazzmasters」名義、「Hardcastle」名義の「3」番あたりの作品群が一番に何かを掴んでいるように感じます。こちらはその結果が広がりメジャー盤が出たようで。しかしながら納得の出来上がり具合には驚きます。
6番あたりはクラブ文脈でも楽しめる作品となっているので、高額で取引は行われていますが。ちょうど同時期のニューヨークのダンスシーンで産声をあげた、「Naked Music Recordings」や90年後半にシカゴで産声をあげた「Guidance Recordings」にも通ずる響き。それはすなわち、ディープハウスの生みの親、ラリーハードの世界観に近い、ラリーハードの00年代の作品群の世界線に繋がるところがこれまた面白いと感じます。
Paul Hardcastleの楽曲は空間というより、そこもきっちり抑えながら、中核にあるのは歌、メロディを奏でているというところがフュージョンであり、それはダンスカルチャーというより、リスニング文化からの返答だと感じます。
まずは、代表曲「Rain forest」の音を知り尽くしたスムースジャズ版を堪能ください。
ここらへんの音のビルドアップのやり方もラリーハードに近いようにも感じます。
https://youtu.be/t01enicYWcg?si=vQIQ0Xs4AFJMu1FM
CD盤面 M-:Mint Minus 美品
ジャケット EX+:Excellent Plus 経年劣化が軽くあるも上質な状態・良品