福富幸宏 / Love Vibes CD
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ここ日本においてハウスミュージックをいち早く評論と創作の両刀にて、日本に伝承した重要人物のひとりとしてあげたいのが福富幸宏だと思います。
ハードコアバンド、ソドムのメンバーとして活動後、ソロ名義にてハウス作品を展開しており、90年代から現代まで、日本のポップス史のコニープランクとでも言いたい、ハウスのビートやベース(303使い)の概念をサラリとJ-POPSへと入れ込むプロデュースワークスは怪作多し。
豊田道倫の唯一のメジャー作や、小西康陽の作品群など素晴らしいプロデュースワークスが多いように感じます。
現地に行って活動していた富家哲やテイトウワなども重要ですが、同じハウスでも島国から出ず、日本の中だけで築きあげたハウスやテクノ、もう少し大きな枠組みで言えば、"90年代音楽文化"を中だけで構築した結果が日本の音楽のオリジナリティと熱気へと繋がっているように思ったり。
ルーツ思考が強めの音楽専門誌"ミュージックマガジン"でのハウスミュージックについて福富幸宏が書いた文章を読んでいると、ハウスミュージックの造詣が深いことがしっかりわかるわけで。
奈良のレーベルprivacyから2024年に004番としてリリースされた、滋賀のハウス職人、Takecha氏の"sound colors"に付属するライナーノーツによれば"ラリーハード作品を知ったのは福富幸宏が雑誌で紹介していて知った"と書かれてあるわけで。
福富幸宏が伝承したハウスミュージックの影響は大きかったと思います。
ジャパニーズハウスはもうひとつのジャンルとして確立されているところもありますが、寺田創一や横田信一郎しかり、デトロイトやシカゴにはなかった、ukのベッドルームでもない、コンパクトでスムースな独自路線の日本家屋が今聴くとオリジナリティであり、その住み心地は現行の若者たち、音楽を作る者たちとのシンクロ率が高いように思えたり。
今作は福富幸宏にとってのソロ1stであり、後に海外からの逆輸入のようにやってくる、マニアックラブなどの流れでもあるテクノとは違った、手探りのハウスが聴けるところがミソで、ニューウェーブ、ニューエイジなりの音楽とマシンミュージック、ブラックな街の音との邂逅が聴ける名作。
ハウスを用いてハウスを作ろうとしていなかった作曲家の作品群がやっぱり良い音を作っていると今作を聴いても感じます。
ラリーハードやニューヨークハウスのエッセンスがムンムンな楽曲に、海外を飛び越えずして、ニューウェーブやニューエイジからのダンストラックスへの混合実験がなんとも、ukのレイブカルチャーから生まれたブリープテクノ(こちらも根源はシカゴやデトロイトテクノ)と同じ地平を描いているような楽曲群がメジャーレーベルに残されていたことに驚いてしまいます。
CD盤面 M-:Mint Minus 美品
ジャケット EX:Excellent 経年劣化があるも全く問題のない状態・良品