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POLYGON WINDOW / SURFING ON SINE WAVE CD

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今現在(26年)エレクトロニクスを用いた音楽家の中でも知の巨人っぷりを更新し続けている、イギリスのコンウォール出身のAphex TwinことリチャードDジェームス。
そんなリチャードの変名"POLYGON WINDOW"の唯一のアルバム作品。
R&Sからリリースした、Ambient works vol.1がAphex Twin名義での最初の作品リリースであり、不滅の名作、Ambient works vol.2がwarp移籍第一弾と思いきや、なんとその前にwarpからの初作品としてリリースされたのが、今作。93年作。
この"POLYGON WINDOW"の作品群はリチャードDジェームスの音楽を知るためにはとても重要な作品だと感じるのも、インタビューでは本当か嘘なのかもわからないことばかりを話しており、エイフェックスツインという"表現物"を作るために撹乱させ、その狂気の渦の中にて目つぶししている間にどんどん子供になっていった、そんなAphex Twinの原風景がまさにこちらの作品に表れていると思えるからで。
機材を分解し、改造し、より凶暴な音を作っていた、自作のシンセを売って小遣いを稼ぎ、CDで稼いだ金で潜水艦と自家戦車を所有しながら、無音室に住んでいた。
そんな錬金術師がテーマにしたのは今作を聴くと明らかにわかるわけですが、そのままの凶暴性を古来からある儀礼的スピリチュアリズムを現代の儀礼の場、"レイヴ"で試したらどうなるのかといったような、科学実験のように思え、特に初期の作品、この"POLYGON WINDOW"の作品を聴くとそう思ってしまいます。
ukテクノ、エレクトロニカ勢の故郷である、レイヴサウンドをリチャード特有のひねくれで、古来先住民が瞑想のために使用してきた"瞑想古楽器"などの音色をサンプルとして、レイヴを現代版悪魔祓い、めちゃくちゃになっていたイギリス国内にて儀礼を行うが如く、現代的に伝統と先端を交差させた呪術が描き出しているところがなんとも面白いわけで。
人類が初めて出会った"楽器"は洞窟のリヴァーブであった。
それはディジャリドゥやあきらかなガムラン旋律などが使用されている箇所や、エキゾチカ的(基盤がレイヴ音楽なので自然とそうなってしまった)、秘境概念がリチャードの初期作品にあるのも、生々しさをそのまま肉ごと目の前に提示したかったからであり、機材を改造し、そのままの"電気"を音として提示したかったのだと思います。
このような考えがごく自然に出来たのも、リチャードの生まれ育った場所によるものだと思っています。
イングランドから孤立している、古代から比較的独立した文化圏を形成していたコンウォール出身であり、王朝時代の街並みと古代遺跡などが、自然豊かに残る世界線にてリチャードの音楽世界は作られていったように感じます。
コンウォールは魔術と魔法の博物館が街にあることからもわかるように、SFと現実が同居する場所であって、Aphex Twinの表現方法は明らかに街から教えてもらったのではと推測しています。
それが作品ごとに、その街の物語を独自のpopsへと昇華させていったところがリチャードDジェームスの唯一無比な理由だと感じます。
"POLYGON WINDOW"はそんな街からの教えを素直に形にしたような、エレクトリックなゴリゴリ感が残る、石や木の感触が支配する古代テクノの密林の音を聴いてほしい。
リチャードDジェームスが作り出す音楽の幻水が隠れることなく、むき出しで表されているところがこれまた聴いとかないと話にならない作品のようにも思えたり。
Aphex Twinの表現が子供のビジョンへと進んでいったことも、この悪魔祓いなどの儀礼を素直に表現していたように思えるわけで。
精神科医の中井久夫が海外の学者などに、政治家がめちゃくちゃなのになぜ日本は大丈夫なのかと質問を受けたときに、表に出ていない人たちがまともだからだと答えると、みんな納得していたと書かれていたように、裏で何かを見つめている人たちが表に出なくてはならない現状になった時が末期であり、裏に隠れている時が一番に順調な時なのかもしれないですし、リチャードが世に出てきた時は金のためだと言いはるとは思いますけど、次リチャードが中心的に音楽土壌にて動き出したときには多分に音楽文化が死んだときだと思って良いと思います。

CD盤面 EX+:ごく軽い擦れあるが目立つノイズなし・良品
ジャケット EX-:軽いスレ、傷や汚れ、シミがある状態・並品

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