dip in the pool / 静かの海 CD
¥1,400($8.87)
SOLD OUT
作編曲家の木村達司とモデル、女優業と幅広く活躍する甲田益也子がボーカルをつとめるdip in the pool。
ジャパニーズパンクなどの世界線と地続きに存在する音響と実験要素を商業化するべく、デザイナーズ的音楽体系とでも言いたい、大手広告代理店や大手流通グループなども入り混じり全方位からデザインされた"文化形態"を作り出し、突き進むこととなる90年代までに落とした種は後に"環境音楽"やDCブランドに代表される服飾文化でのショーのための音楽返答、それはファッション有りきのイギリスのパンクムーブメントの方法論を"近代都市"化した、70年代から始まったインディペンデント発想が都市化したと言っても良い文化人たちが大きな資金源の流動と文化の最盛期との摩擦は駆使して作り出したアーカイブは日本の音楽史の中でも、今世界的に注目の的になっているのではないかと思ったり。
ちなみに日本では地下演劇の世界にてそのような全方位をひとつの表現に集中させる極意をイギリスのパンクムーブメント以前に形にしていた経験が土台としてあったからこその商業的な大きな流れを作れたのだとも思っています。
映像と音楽の分野はどこの分野においてもコミット可能ゆえに当時の80年代の文化圏を行き来する、大きなネットワークになっていたようにも思うのです。
それは後の90年代に入っての日本のストリートカルチャーへも繋がっていくように感じます。
今作のdip in the poolは当時勢いがあったイギリスのインディペンデントレーベルの代表、ラフトレードからのリリースや、漫画家の岡崎京子が描きそうな80年代キッズが飛びつきそうなユニット構造は90年代のプロデューサー時代を先取りした編成のようにも思え、同時代的には橋本一子のColored Musicや8 1/2やハルメンズでの活動した、上野耕路が率いたゲルニカにチャクラなど、この流れからPSY・SやFLAT FACEやそのスタイルに徐々に変貌し90年代を貫いたpizzicato fiveなど日本の80年代から90年代の定番スタイルとなったように感じます。
このようなスタイルは日本のAORやシティーポップという文脈にも受け継がれていくようにも思います。
細野晴臣、清水靖晃、テイ・トウワ、ゴンザレス三上、ピーター・シェラー等を迎え作られた、オブスキュア方面からも再注目される甲田益也子のソロ・名作アルバム"jupiter"がリリースされる3年前に作られた今作。
jupiterが到達点であれば、dip in the poolが先端の音楽を追っかけていたことがわかるような要素に、このユニットが変わらず持っている80年代モード文化のショーを感じさせる静寂は発足当初から保たれる神秘的な世界は今作でも健在。
今作を聴いても思いますが、文化人的な男の儚い幻想を描いた世界線を一手に引き受けていたのが透明感となんとも人形と人間の中間地点に存在するような甲田益也子の透明感であって、その透明がエフェクトとなり、文学世界から自主制作映画の文脈など幅広くコミットする音楽はここでしかない世界。
CD盤面 EX+:ごく軽い擦れあるが目立つノイズなし・良品
ジャケット EX-:軽いスレ、傷や汚れ、シミがある状態・並品